年度が空けて一息つけるかなとも思いつつ、多くのお客様から依頼や相談を頂き、おかげ様で日々忙しくしておりまして、またGWは家族サービス等もあり、前回の投稿からまた1ヶ月以上も経過してしまいました。。。

前回のコラムで、中古マンション市場高騰の要因として、新築マンション市場の供給について記載しましたが、今回は中古マンション市場の需給バランスについて述べたいと思います。

レインズ(REINS)という不動産流通機構が運営しているシステムによる公表によれば、2018年以降の中古マンションの月間平均成約件数(東京都)は以下のとおりです。

 2018年:1,591件

 2019年:1,668件

 2020年:1,555件

 2021年:1,697件

 2022年:1,618件

2020年は緊急事態宣言の影響もあり成約件数は減少しておりますが、2021年はその反動で成約件数が増加しております。しかしながら、5年間おしなべて見ると大きな変動はなく、概ね横ばいのようにも見れます。

以下は月別の在庫および成約件数の推移ですが、成約件数については、緊急事態宣言の影響を受けた2020年春を除けば、一定の幅での増減を繰り返しているように見えます。


しかし、在庫件数に注目するとどうでしょう。


2020年5月より在庫の減少傾向が顕著となっておりますが、約24.3%もの在庫が減っておりました。成約件数は変わらないものの、在庫が減るというのは、どういうことでしょう。おそらく、中古マンション売買の成約全てがレインズに反映される訳ではないことから、成約自体は増加し、その影響により在庫が減ったと考えられます。

従って、新築マンションの市場動向を踏まえると、「用地不足・新型コロナウイルスの影響により新築マンションの供給減少」⇒「新築マンション需要者が中古市場に流れる」⇒「中古マンションの成約増加により、在庫減少」⇒「中古マンションの需給バランスが逼迫し、価格上昇」というシナリオが描けます。

つまり、新築マンションの需給バランスが中古マンション市場にも影響を与えたことになります。

最後に、上記のグラフによれば、中古マンションの在庫が徐々に増えております。この動向が中古マンション市場に影響を与えると思いますので、注視していきたいと思う次第です。