毎月開催される税理士さん主催の勉強会(主にオンライン)に参加しており、参加者が持ち回りで自身のカテゴリーに関係あることを発表するのですが、今月は私が担当でした。直前の勉強会では税理士さんが新NISAについて説明されたことや、REITを新NISAで購入できることから、REITに関して発表してみました。

REITは不動産投資信託のことであり、「Real Estate Investment Trust」の頭文字を繋げて、「REIT」と言いますが、Japanを付けてJ-REITとも呼ばれております。REITも上場株式と同様に考えれば分かりやすいと思いますが、証券市場に上場している株式銘柄数は約4,000程度のようですが、現在東京証券取引所に上場している銘柄の数は57です。REITも上場株式同様に、毎日価格が変動し、概ね年2回の配当があります。上場株式の株価に相当するものをREITでは投資口価格と表し、配当に相当するものをREITでは分配金と呼びます。また、上場株式の銘柄は「○○株式会社」「株式会社○○」ですが、REITの場合「○○投資法人」「投資法人○○」となります。上場株式と同様に、個人(もしくは法人)で開設した証券会社の口座で各REITを購入し、新NISAの成長投資枠で購入することも出来ます。

上場している各REITは、オフィスビルや賃貸住宅、他にはショッピングセンター、物流倉庫やホテル等を投資対象とし、投資法人として各不動産を保有しておりますが、保有している不動産から得られる賃料収入を原資として、投資家(投資口購入者、つまり株主に相当する人)に分配金を分配します。ですので、キャピタルゲインよりもインカムゲインとしての特徴が強いですが、REITをよく知る投資家の方々は成長性も注視しますし、日々投資口価格は変動しますので、キャピタルゲインの面も見られます。

そんなREITですが、最近は投資口価格の変動があまり芳しくなく、以下は東証REIT指数(全銘柄を対象とした時価総額加重平均型の指数)と日経平均株価の推移です。


左軸は東証REIT指数、右軸は日経平均株価(円)です。日経平均株価は、2023年以降上昇しており、30,000円を下回っていた株価が40,000円近くまで、40%超上昇しております。しかしながら、東証REIT指数は、2023年1月末日時点が1826.84、2025年1月10日時点が1648.48ですので、約2年間で約10%も下落しております。。。私個人でもREITを複数銘柄保有しておりますので、含み損抱えている銘柄もあり、少し悲しいですね。キャピタルゲインではなくインカムゲイン重視で投資しておりますので、あまり気にはしていないのですが。

なぜ、日経平均株価は上昇しているのに、REITは下落しているのでしょうか?

 ①長期金利が上昇局面にあり、金利上昇による分配金下落リスクの他、不動産価格の下落リスクも懸念される

 ②REITに投資してきた金融機関(地銀等)がREITの価格下落リスクを見据え、REITを売り出しており、下落が下落を呼ぶ状況になっている

 ③毎月分配型のREIT投信(REITに投資する投資信託)が新NISAの対象から外れたことも含め、REIT投信からの資金流出が相次ぎ、REIT投信がREITを売却している

というような状況にあるようです。

とはいえ、2025年1月15日時点では、REITの平均分配金利回りは約5.1%となっておりますが、長期金利との差は4%弱もあり、REITが投資する不動産の市況自体は概ね好調ですから、今現在のREITは割安な状況ではないのかと考えております。